1964年創業の『サン・アド』。
サントリーの宣伝部門が独立する形で設立された、老舗広告制作会社です。
数々の著名クリエイターを輩出し、数多くのナショナルクライアントの広告を生み出し、広告業界の中でも一目置かれる存在の会社と言えるのではないでしょうか。
同規模の競合の『日本デザインセンター』とともに日本の広告・デザインを牽引してきたこの『サン・アド』ですが、実際の労働環境などはどのようなものなのでしょうか。
そんなサン・アドですが、実際に中途採用や第二新卒として転職する際にはどのようなポイントがあるのでしょうか。
そこで今回は実際に未経験から大手広告代理店への転職歴のある根岸氏に、『サン・アド』に転職する方法から、ブラック度・残業時間、年収・給料、職務経歴書・ポートフォリオ・面接のコツやグループとの違いについてについて寄稿いただきました。
この記事を書いた人
未経験から大手広告代理店への転職を経験。現在も現役広告マンとして勤務する傍ら、独自のキャリア視点などを中心に記事の執筆、講演、キャリアアドバイザーなども務める。
『サン・アド』に転職する方法|『サン・アド』に強い転職エージェント・転職サイト
『サン・アド』に転職する方法ですが、大きく分けて3つの方法があります。
ひとつは『リクナビNEXT』『マイナビ転職』などの転職サイトを利用して転職する方法。そしてもうひとつは『マスメディアン』『マイナビITエージェント』『リクルートエージェント』などの転職エージェントを利用して転職する方法。そして最後が企業のサイトや知人の紹介などから直接応募する方法の合計3つが主な手段として挙げられます。
『サン・アド』への転職に有利な転職サイトと転職エージェントの比較
まず転職サイトと転職エージェントに比較についてですが、こちらは『サン・アド』などの制作会社への転職に際して言えば確実に転職エージェントの利用を推奨いたします。
理由としては、基本的に採用情報=企業の経営戦略でもあるため、企業としてはあまり誰でも見られる状態にしたくないというのが本音です。一方で、優秀な方の目には触れたいのでその二律背反が採用担当者にとっての永遠のジレンマでもあります。
上記を踏まえると、転職サイトというのはメールアドレスを入力するだけで登録できるため、不特定多数の目に触れると言えます。一方で、転職エージェントは、登録してから1度キャリアアドバイザーとの面談を受けた上で登録されるため、企業の実際の事情や、表に出せない将来的な経営戦略なども積極的に公開されています(個人的には投資家も転職エージェントに登録した方が良いとさえ思います)。
下記は実際の転職サイトである『リクナビNEXT』と転職エージェントの『リクルートエージェント』の検索画面ですが、例えば『電通』と検索した場合でも転職サイトの場合は、関連企業や取引先が電通であるに過ぎない企業も表示されるのに対し、転職エージェントの場合は、しっかりと電通の求人が表示されます。
以上を踏まえると、転職活動に際しより良い待遇を狙うのであれば、『リクナビNEXT』『マイナビ転職』などの転職サイトと『マスメディアン』『マイナビITエージェント』『リクルートエージェント』などの転職エージェントであれば、必然的に転職エージェントの登録が必要となります。
『サン・アド』への転職に有利な転職エージェントと直接応募の比較
次に、転職エージェントと企業サイトなどの直接応募の比較ですが、こちらは一概に優劣はつけられません。
転職エージェントのメリットとしては、企業の採用担当者と精通したキャリアアドバイザーが求職者の担当につくため、企業が求める人材に合わせた、職務経歴書やポートフォリオの作成方法や、面接対策などを受けることができます。
一方で、直接応募のメリットとしては転職エージェントを挟まないため、企業側からすると手数料を取られないというメリットがあります。なので、もし企業の事情や求める人材について採用担当者とコミュニケーションを取れる状態であるならば直接応募の方が優位と言えるでしょう。
但し、年間の中途採用者の採用予算は既に決まっており、転職エージェントの活用もあくまで費用対効果を見込んで活用しているので、手数料の面で採用に優劣が付くということは原則ありません。なので、特段のコネクションがない場合は転職エージェントの活用が採用への近道と言えるでしょう。
『サン・アド』の中途採用・キャリア採用・第二新卒での募集職種
では、実際に『サン・アド』への転職に際し、どのような職種が募集されているのかを、各チャネル別に見ていきましょう。また転職活動において、転職エージェントに複数登録される方が大半です。一方で登録時の基本情報の入力は数が重なると負担となります。なので、一度登録したらPCやスマートフォンのメモ帳に一通り情報を記載し、コピー&ペーストで効率的に登録することをおすすめいたします。
マスメディアン経由
リクルートエージェント経由
転職関連企業として高い知名度を誇るリクルートが運営する転職エージェント『リクルートエージェント』。総求人数10万件以上という圧倒的な求人数を背景にコピーライターやデザイナーなどの求人も豊富に取り揃えています。求人数が圧倒的なため、他のエージェントに掲載されていない優良求人も多くあり、見逃しによる機会損失を出さないためにも登録することをおすすめいたします。
※原則最新の情報を掲載するように努めておりますが、定員に達するなどの理由で転職エージェントに求人がない場合もございますのでご了承ください。また転職エージェントに登録を断られたなどの場合は、下記の『転職エージェントに登録を断られた場合』をご覧ください。
『サン・アド』への転職に有利な履歴書、職務経歴書、ポートフォリオの作り方
『サン・アド』の残業時間や仕事のやりがいは|口コミと評判から徹底検証
気になる『サン・アド』の残業時間・労働環境はどうなのでしょうか。制作会社/デザイン会社の企業なのでやはりハードなのでしょうか。
口コミ・評判を見てみると、月間の平均残業時間は32時間とありました。広告制作会社としては格段に少ない数字ですね。以下で検証してみましょう。
実際の口コミ・評判を見てみても、
スケジュールが不規則のため、長期休暇などの予定は立てづらく、休日出勤なども少なからずあった。
ディレクターなどはバランスをとって休んでいるが、実際に手を動かすデザイナーは長時間労働する傾向にあった。
個人の裁量に委ねられているので、展示会などには業務中でもいくことが可能な環境にあった。
といった口コミ・評判のコメントが並んでいました。
コメントを見るとある程度残業はしているようなので、実際には上記の数値よりはもう少し時間は長いのかもしれません。
ルーツの通り、クライアントから直で仕事を受けることも多いようなので、そうした意味では広告代理店の指示を待っていたり、振り回されたりということは他の制作会社に比べたら少ないのかもしれません。
また著名なクライアントの広告に早くから携われる環境なため軒並み成長という視点で見ると満足度が高い印象を受けますね。
そのような実際の制作や業務範囲などの詳細な話は、制作会社/デザイン会社を専門にしている【マスメディアン】や、【マイナビクリエイター】などの“転職エージェント”に実際に行ってみて、最新の情報を聞いてみるとより鮮明になるでしょう。
『サン・アド』の年収・給料は|職種での違いも評判・口コミから検証
では『サン・アド』の気になる年収・給料はどのくらいなのでしょうか。制作会社/デザイン会社と聞くと高年収なイメージがありますがどうでしょうか。
口コミ・評判などの平均年収・給料を算出すると、大体500-600万円くらいが相場のようです。
実際に手を動かすデザイナーなどはもう少し低いかもしれませんが、広告制作会社/デザイン会社の平均と比べればかなり高い部類と言えるのではないでしょうか。
また残業代や賞与もしっかりと出る環境にあるようなので、そうした意味で労働環境面でモチベーションを削がれることもある程度避けられる環境と言えるかもしれません。
またこの業界の醍醐味としてはやはり手に職をつけて独立できるというメリットがありますが、やはり元サン・アドというブランドがついていれば、他のプロダクションよりはるかに箔がつくというメリットも実際にはあるのではないでしょうか。
独立することで年収1000万から1億円代まで可能なのがこの業界の特徴でもあります。
どの職種でもある程度の実績・経験があれば、1案件100万円の請求というのはよくある話で、それを月に数件受けていれば、自ずと年収レンジも上がっていきます。
世間でいう「ほんの一握りの成功者でしょ」という感覚よりははるかに1億円プレイヤーはこの業界からは誕生しやすいと言えるでしょう。
そうした会社のキャリアアップや独立したOBなどの実績も、制作会社/デザイン会社を専門にしている【マスメディアン】や、【マイナビクリエイター】などの“転職エージェント”で一度詳しい話を聞いてみると、よりキャリアが鮮明になるかもしれません。
そして『サン・アド』の求人ですが、『サン・アド』に限らず制作会社/デザイン会社の優良求人というのはあまり【リクナビNEXT】や【マイナビ転職】といった転職サイトにはあまり掲載されていません。
それは求人サイトは誰でも登録できてしまう=誰でも求人を閲覧できてしまうからです。求人というのは経営に直結しているため、基本的には外に見せたくないという企業がほとんどなのです。
基本的に制作会社/デザイン会社の優良求人というのは制作会社/デザイン会社を専門にしている“転職エージェント”である、【マスメディアン】や、【マイナビクリエイター】などの、非公開求人を取り扱っているサービスでしか閲覧することができないことが多いです。
『サン・アド』に就職・転職するには。オススメの転職エージェントをご紹介
では、実際に中小企業営業→大手広告代理店への転職の際に、約30社の転職エージェントを利用した筆者が、広告業界/広告代理店への転職に際しオススメと言える転職エージェントを以下でご紹介いたします。
制作会社/デザイン会社への転職でオススメの転職エージェントはこちら
マスメディアン
【公式サイト】https://www.massmedian.co.jp/
利用満足度:★★★★★
宣伝会議グループが運営するマスメディアンは、広告・Web・マスコミの求人数・転職支援実績No.1クラスとの評判です。専任のコンサルタントが付き、広告会社、制作会社などの優良企業の求人多数提案してもらえます。またweb上からマイページで24時間求人が確認できるので、紹介された求人以外にも興味のある求人にチャレンジすることも可能です。大手2社の求人も比較的常時掲載されています。
マイナビクリエイター
【公式サイト】https://mynavi-creator.jp/
利用満足度:★★★★★
大手転職サービスマイナビグループが運営する、Web・ゲーム・IT業界専門の転職エージェントであるマイナビクリエイター。こちらも専任のコンサルタントが付くのはもちろん、ポートフォリオなどの独特の転職フローがあるクリエイティブ転職の後押しとなるサポート機能などが多数用意されています。広告系の求人も多数ありますが、マスメディアンよりはややwebよりの印象です。
『サン・アド』についての記事の終わりに
制作会社/デザイン会社の企業のひとつである『サン・アド』の残業、労働環境、ブラック度と年収・給料、就活・転職の際のポイントについて検証して来ましたがいかがでしたでしょうか。
制作会社/デザイン会社は大きな変革期にあります。着実に労働環境が改善されている会社がある一方、まったく改善されていない会社があるのも事実。
人生のターニングポイントでもある就職活動・転職活動、ぜひ【マスメディアン】などの専門の転職エージェントでも話を聞いて、判断基準を増やしていきたいですよね。
当記事は以上となります。お読みいただきありがとうございました。