コンサル業界のクリエイティブ職を徹底比較|アクセンチュア・PwC・デロイト・アビーム・KPMG・MBBの違いとは?

この記事は約10分で読めます。
[PR]
[PR]

1. なぜいま、コンサル業界でクリエイティブ職が求められているのか?

従来のコンサルティングといえば、戦略立案や業務改革など「ロジック主導の課題解決」が中心でした。
しかし近年、社会やビジネスを取り巻く環境が複雑さを増し、「どんな体験をつくるか」「そのブランドは何者なのか」が問われるようになっています。

この流れを受けて、コンサルファームに“構想力”と“体験設計”の両方が求められる時代が始まりました。
中でも、デザイン思考やブランド設計、UXリサーチなど、クリエイティブな領域に踏み込む動きが加速しています。

  • “数字だけ”では企業の魅力は語れない
  • “機能だけ”では顧客に選ばれない
  • だからこそ、“存在の意味”を設計し、“体験”として届ける力が必要とされている

こうした背景の中で、各コンサルファームがどのようなクリエイティブアプローチをとっているのかを比較することは、転職の方向性を定める上で非常に重要です。


2. コンサル6社のクリエイティブアプローチを比較

アクセンチュア|体験設計の最先端を担う総合系の雄

アクセンチュアは現在、国内外で最も積極的に「クリエイティブ機能」を拡張しているコンサルファームです。特にアクセンチュア ソング(旧Interactive)の存在が大きく、ここでは広告会社顔負けの制作力とブランド戦略を融合させた体制が敷かれています。TVCM、ブランドムービー、UX設計、店舗体験、パーパス設計までをワンストップで担える体制は、総合コンサルの中でも際立っています。

デザイン思考を超え、ブランド体験の“すべて”を設計・実装するコンサルといえる存在です。日本ではTBWA HAKUHODOや電通出身者を積極的に採用し、広告出身者が企業の戦略と体験設計の“交差点”で活躍できる環境を整えています。

  • パーパス・ビジョン設計〜TVCM制作・アプリUI設計まで一気通貫で支援
  • 電博出身のクリエイターが多数在籍し、ブランド・体験・UXに強み
  • “体験”をビジネス成果につなげるクリエイティブコンサルのパイオニア
  • アクセンチュア ソング(旧Interactive)を中心にグローバル体制で展開

コンサル業界のクリエイティブ職を徹底比較|アクセンチュア・PwC・デロイト・アビーム・KPMG・MBBの違いとは?


PwCコンサルティング|“体験価値”から構想を作るUX系コンサルの急先鋒

PwCは「Experience Center(EC)」を軸に、ユーザー体験から逆算してビジネスを再設計するUX起点のコンサルティングを強化しています。他ファームに比べると“表現”よりも“構想と導線”の設計に強みがあり、体験全体を設計するUXディレクター/クリエイティブディレクターが在籍しています。

戦略部門とUX部門がシームレスに連携し、ビジョンやブランドの核から一貫性を持った体験設計を担うのが特徴です。実制作も含まれるものの、どちらかと言えば「どう届けるか」より「何を届けるか」に重きを置いた職種設計です。

  • Experience Centerを中心に、UXデザインと戦略の融合を実践
  • コンテンツ制作も一部ありつつ、全体の体験導線・ジャーニー設計が主領域
  • コピーやデザインではなく、構想・設計・検証のプロセスに強み
  • プロジェクトマネジメントとハンズオン実装のハイブリッドが求められる

PwCコンサルティングの中途採用とは?クリエイティブ職の仕事内容・年収・選考対策を徹底解説【戦略×UXで構想を形に】


デロイト トーマツ コンサルティング|言語化から始まるパーパス設計の第一人者

デロイトは他のファームに先駆けて「コピーライター職」を設け、経営パーパス・コアアイデア・ミッションバリューの言語化に力を入れています。表現よりも“意味を掘り下げる力”に重きを置いており、戦略と感性のあいだを言葉でつなぐユニークなポジション設計となっています。

社会課題や組織文化に向き合うプロジェクトが多く、従来の広告コピーとは違い、“組織の言葉”や“理念としての表現”に軸足があります。社会に向き合う力、抽象度の高い思考、対話力などがより強く問われる環境です。

  • コピーライターが在籍し、パーパス・MVVの策定に特化した組織体制
  • 言葉を通じて企業文化や経営理念を形にする“思想の設計者”
  • 戦略チームと並走する立ち位置で、全社の方向性を定義する役割
  • 広告的スキルよりも、社会観・視座・構想力が重要視される

デロイトトーマツコンサルティングのクリエイティブ職とは?年収2000万円も狙えるコンサル転職と中途採用の実態


アビームコンサルティング|デザインとアーキテクチャで“ありたい姿”を描く

アビームは、構想段階に特化した「デザイン・アーキテクト」職を擁し、未来のビジネスやサービスの“ありたい姿”をデザインするコンサルとしてのポジションを築いています。実際の制作やUX設計には踏み込まず、構想段階のフレーム設計や、デジタルアーキテクチャの思考フレームを扱うのが特徴です。

また、アジャイル/スクラム開発といった先進的な手法を持ち込み、構想から組織設計・プロセス設計までを一貫してリードする体制があります。デザインというよりも、“思想と構造をデザインする職種”という立ち位置です。

  • 「デザイン × アーキテクト」による構想・設計思考に特化
  • UX/ビジュアル制作には踏み込まず、上流の設計・共創が中心
  • アジャイル開発・PoC・メソドロジー開発に関心がある人向き
  • 現場での手触りより、全体像の構築や思想設計に興味がある人に最適

アビームコンサルティングのデザイン・アーキテクト職とは?転職難易度・年収・仕事内容まとめ


KPMGコンサルティング|“構想力×社会課題”に強い発想型ファーム

KPMGでは“Beyond Consulting”を掲げ、社会課題に対するマーケットイン型の構想アプローチを強化しています。SVC(Social Value Creation)チームを中心に、「事業の起点は社会課題である」という思想のもと、未来のビジネス構想を描くファームです。

ここではビジュアルやコピーといったクリエイティブ制作は発生しませんが、構想力・発想力・問いの設定力といった「上流の設計力」が問われます。ビジョンや新規事業の“なぜそれをやるのか”を描き、クライアントと協働して形にしていくスタイルです。

  • 社会起点での構想・新規事業創出を担うチーム体制
  • UXや制作は一切なし、“問いを立てる力”が重視される
  • ビジョン、ESG、社会構造を起点としたコンサルアプローチ
  • 組織立ち上げ・サービス構想・マーケット形成などが主戦場

KPMGのクリエイティビティを武器にしたコンサルへの転職方法は?年収1500万も狙える採用枠の特徴や求められるスキルを解説


MBB(マッキンゼー/BCG/ベイン)|経営構想の核心を設計する“問いのエリート集団”

MBB(マッキンゼー・BCG・ベイン)は、明確なクリエイティブ職を設けてはいないものの、「企業の存在意義そのものを定義し直す構想力」においては最上流を担う存在です。

UX、デザイン、パーパス表現といったアウトプットは扱いませんが、ブランドを語る上での「経営視座」「未来の方向性」「社会との接続」などを最も高いレベルで設計しているのがMBBの特徴です。特にマッキンゼーは企業のビジョンそのものを再構築するケースもあり、“問いを描く力”に興味がある人にとっては最高峰の環境です。

  • 明確な制作業務はなし、“構想そのもの”を思考する仕事
  • ビジョンや戦略そのものの核をつくる役割
  • ブランドを“体験”でなく、“構造”で語る立ち位置
  • デザイン思考ではなく、“問いの思考”に近い

マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用とは?戦略コンサルの仕事内容・年収・構想力に向き合うキャリアの真実

ボストン コンサルティング グループ(BCG)の中途採用とは?戦略コンサルの年収・仕事内容・ブランド構想力まで徹底解説

ベイン・アンド・カンパニーの中途採用とは?戦略コンサルの仕事内容・年収・“構想力”の行き先としての可能性を解説

3. あなたは“何を設計したいか”で選ぶべき

単に「クリエイティブな仕事がしたい」「デザインを活かしたい」という視点だけで選ぶと、コンサル業界ではミスマッチが起こりがちです。
重要なのは、あなたが“何を設計したいのか”どこまで構想し、どこまで手を動かしたいのかという視座です。

設計したいもの向いているファーム
UX/UIを通じて体験実装まで担いたいアクセンチュア/PwC
パーパスやMVVを言葉で設計したいデロイト
未来の事業や組織の“ありたい姿”を描きたいアビーム/KPMG
経営の根幹から企業の在り方を問い直したいマッキンゼー/BCG/ベイン(MBB)

4. クリエイティブ×コンサル転職を成功させるための、おすすめ転職エージェント3選

ここまで各ファームの特徴やクリエイティブポジションの違いについて整理してきましたが、いざ転職活動を始める際に重要になるのが、“どのエージェントと進めるか”という視点です。

コンサルファームの中でも、クリエイティブ領域の求人はまだ新しく、職種名や募集背景が分かりにくいことが多いです。
また、実際に入社してからの配属や業務範囲が“ファームの思想”に強く影響されるため、求人票だけでは見えない情報を持つエージェントとの接点が重要になります。

以下では、コンサル×クリエイティブの転職支援に強い3社をご紹介します。


アクシスコンサルティング|コンサル転職の定番。構想系・UX職にも対応

アクセンチュア、PwC、デロイトなど総合系ファームから、戦略・人事・IT系まで幅広い支援実績があり、構想段階のデザインやUX領域のポジションにも強いのがアクシスの特長です。
職種名が曖昧な求人でも、組織内の立ち位置や意図をしっかり説明してくれるため、クリエイティブ職からの転職でも安心して相談できます。

  • 総合系/戦略系コンサルファームに強く、非公開求人も豊富
  • UXやアーキテクト系職種の理解・翻訳力が高い
  • 経営視点を持ったクリエイティブ人材の採用に強い
  • 面接・職務経歴書のサポートも具体的かつ的確


MyVision|MBB含む“構想設計型”の人におすすめ

マッキンゼー・BCG・ベインなどの戦略ファームに強いエージェントで、パーパス策定やビジョン設計といった“抽象度の高い仕事”に興味がある人にフィットします。
ビジネス視点で自分のキャリアを再構成したい人、問いを立てて価値を生み出したい人にとっては、非常に相性の良いエージェントです。

  • MBBや構想上流系の求人に強い
  • ビジネス設計・理念構築系の志向を深く理解
  • ケース面接・論点整理など選考対策も充実
  • 抽象思考・戦略思考を活かしたい人におすすめ


マスメディアン|広告・制作出身者の“次の一歩”に寄り添う

広告・デザイン・Web業界に特化した転職エージェントで、「これまでの制作経験がコンサルでどう活きるか」を一緒に考えてくれる点が魅力です。
コンサル業界の求人は一部に限られますが、UX設計・アーキテクト志向・ブランディング系の転職を検討する際に、自分の強みを棚卸しする相談先として有効です。

  • 制作・広告経験を“構想・設計職”として再定義してくれる
  • 自分の言語化しづらいスキルや実績を翻訳してくれる
  • コンサルファームへの実績もあり、連携先も広がっている
  • 「何がしたいか」から整理したい人におすすめ


この3社はいずれも、単なる求人紹介ではなく「あなたの構想力・表現力を、どのファームでどう活かすか?」という問いに一緒に向き合ってくれるパートナーです。
コンサルでクリエイティブな力を発揮したいと考える方は、まずは1〜2社に相談してみることをおすすめします。

クリエイティブ×コンサル転職におすすめの転職エージェント3選|構想力と表現力を活かすには?

5. まとめ|構想と表現の狭間で、あなたのスキルを活かす場所を選ぶ

コンサル業界の中で、「構想」と「表現」が出会い始めています。
それは、ただ美しいものをつくる仕事でも、表現だけで終わる仕事でもありません。

  • 企業の思想をどう構想するか
  • その意志をどうユーザーに届けるか
  • 経営課題を、どう“体験”や“言葉”に変えるか

その全体設計を担う人材が、いまコンサルティングの世界で求められています。

もしあなたが、「ビジネスを、デザインしたい」
「社会に届く言葉を考えたい」
「企業の在り方から体験を整えたい」──そう願うなら、必ずフィットするファームがあります。

この比較記事が、あなたの進むべき選択を照らすヒントになれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました