転職は若いほうが有利、20代なら異業種でもどこへでも行けるなどと言われる転職市場ですが、その裏で思い通りにいかない転職活動を行っている人も一定数います。
そこで今回は、20代の転職活動に詳しいキャリアコンサルタントの近藤氏をお招きして、一般的に20代が転職活動でぶつかる課題や悩み、転職した方が良い事例、悪い事例などを、実際のご経験を交えて寄稿いただきました。
近藤
キャリアアドバイザー歴10年の転職エージェント。キャリアコンサルタントとして数々のクライアントの転職の成功に導いてきた実績を元に、web記事などを多々執筆。
厳しさ① 「思ってたのと違う」という理想と現実の壁
20代が転職したくなる理由として、一つ上げられるのが、思っていたのと違うという=リアリティショックというものがあげられます。
これは自分が入社前に思っていた会社のイメージと違っていた、労働時間が法外に長かったなどがあげられます。
労働時間を守っていない場合は当然転職をした方が良いですし、実際に働く前から働くことをイメージするというのは中々難しい部分もあるので、明確にギャップを感じているのであれば転職ということも選択肢に入れる必要があるでしょう。
一方で、ギャップが自分自身に起因することもあり得ます。例えば電話がうまく対応できない、時間管理ができない、報告連絡相談がうまくできないなどがあげられます。これらや、志望した職種であるのにスキルが身につかないなど個人的な問題である場合は、次の職場に行ってもまた同じ課題にぶつかりますので、転職が正解とはならない可能性があります。
厳しさ② 上司・同僚・後輩・派遣社員など人間関係の問題
もうひとつ20代が転職を考える理由として多く上げれられるのが人間関係の問題です。今まで同年代とばかり関わっていた20代にとって、20も30も離れた先輩、上司とコミュニケーションをとることは並大抵のことではありません。
パワハラなど理不尽な扱いを受けている場合は転職を考えた方がいいですが、そうではなく単純に仕事上のコミュニケーションがうまく取れない場合などは、一度状況を整理して、転職するのか改善するのかを考えることをお勧めいたします。
一方で、組織と合わないという場合であれば、転職をすることをお勧めいたします。こちらも先述の内容と同様ですが、働く前から仕事内容を完璧に把握できる人などいませんので、そうしたギャップを感じている場合は、20代というカードが使えるうちに異業種への転職なども視野に入れることが大切になります。
厳しさ③ 自分が何やりたいのかわからない課題
最後、20代のキャリアにおいて悩む最も多い理由ともいえるのが、自分が何をやりたいのかわからないといった内容です。
20代というのはそもそも何もできない状態で会社に入社し、ひとつひとつできることを増やしていく段階です。
ようやくできることが増えてくると、基本的には会社は利益を上げないといけないので、その仕事を中心に回されることになります。
はじめのうちは良いですが、徐々にこれって本当に自分のやりたい仕事だったんだっけ?となってしまい、自分のやりたいことが分からなくなってしまう。という悪循環は良くある話です。
こうした課題は1日2日で解決できる問題でもないので、転職エージェントなどのキャリアアドバイザーに時間をかけて相談して、徐々に導き出していく必要があると言えるでしょう。
おわりに
一般的に若い方が有利と言われる転職活動ですが、必ずしもすぐに転職することだけが正解ではありません。しっかりと自身の課題と目標を整理したうえで、実績を積むのか、転職をするのか考える必要があります。
また転職をするにしても、そのまま応募して受かるポテンシャルがあるのか、職務経歴書、履歴書、ポートフォリオなどをしっかりと作りこまなければ受からないポテンシャルなのかも人によってまちまちです。
そうした意味でも、しっかりと並走してもらえる転職エージェントを活用して、貴重な20代の転職カードを最大限活用できるようにしたいですね。
以上となります。お読みいただきありがとうございました。