「映像をつくる仕事がしたい」「CMを作るプロになりたい」
そう思っても、どの制作会社が自分に合うのかは、意外とわかりにくいものです。
CM制作会社と一口にいっても、裁量の大きさや現場の温度感はまるで違います。
本記事では、**CM制作会社への転職に強いエージェント2社（マスメディアン／HIGH-FIVE）**を紹介しつつ、主要7社（AOI Pro.／東北新社／電通CP／博報堂プロダクツ／ギーク／TYO／太陽企画）の特徴を深掘り比較。あなたに合う選択肢を見つけてください。
CM制作会社への転職におすすめのエージェント2選
① マスメディアン（宣伝会議グループ）
広告・映像業界専門の老舗エージェント。テレビCMやグラフィック制作など、伝統的なクリエイティブ業界とのネットワークが非常に強く、大手・老舗系制作会社（東北新社、博報堂プロダクツ、TYOなど）に対しての信頼と実績があるのが大きな強みです。
求職者の志向と企業カルチャーのミスマッチを避けるために、“カルチャーマッチ”の観点で求人を提案してくれるのが特徴。丁寧な書類添削・ポートフォリオ相談、面接対策にも定評があります。
どんな人に向いている？
- 安定性を重視したい
- 育成環境がある会社で長く働きたい
- 表現よりも現場やチーム全体の品質にこだわりたい
② HIGH-FIVE（ハイファイブ）
映像・広告業界に特化した“少数精鋭型”のエージェント。大手とは違い、現場出身のコンサルタント（元PMやディレクター）が対応するため、求人票に出てこない“リアル”が聞ける点が特徴です。
AOI Pro.やギークピクチャーズのような自由度の高い現場や、“若手が勝負できる場所”への転職支援に強く、カルチャーや裁量重視の人にとって、最も信頼できるパートナーになります。
どんな人に向いている？
- 裁量が大きく、表現で勝負できる環境を探している
- 年次に関係なく成長したい
- 面接前に“現場の空気感”を理解したい
主要CM制作会社7社の特徴と“向いている人”
① AOI Pro.｜表現で勝負したいディレクター志向に最適
AOI Pro.は、企画提案から演出・撮影・編集までを一気通貫で担える、演出家志向の人にとって理想的な会社。直案件や海外展開も多く、若手が早期にディレクションに挑める自由な環境です。
その反面、育成よりも実戦が重視される現場なので、指示待ちタイプには厳しい一面も。自分の企画を提案し、失敗も背負っていく“表現者の覚悟”が求められます。
要点まとめ
- 直案件多数。演出提案の自由度が高い
- 若手でも企画に入れる実力主義文化
- 自走できる演出家志望にフィット
- 【相性◎】HIGH-FIVE
② 東北新社｜映像クラフトを極めたい“職人志向”向け
撮影・編集・音響などを社内で完結できる、映像技術の総合力が武器。プロデューサー主導の進行体制で、“きちんと仕上げる”ことにこだわる堅実な現場です。
若手はまずPM業務を経験し、制作全体を理解する文化も。演出家として自由に暴れたい人には窮屈かもしれませんが、「裏方がすごい」ことを誇りにできる人には最適です。
要点まとめ
- 撮影〜編集〜MAまで内製化された制作力
- PM経験を通じて、制作全体を学べる育成方針
- 技術を極めたい“映像職人”向け
- 【相性◎】マスメディアン
③ 電通クリエイティブピクチャーズ（旧：電通クリエイティブX）｜戦略と制作の境界がない現場
電通本体の統合型制作部門。プランナー、ディレクター、デザイナー、PMまで代理店本体の一員として映像を制作する組織です。
「自由に演出したい」よりは「チームで高難度の課題に挑む」ことにやりがいを感じる人にマッチ。代理店的な戦略理解と、制作現場の実行力を両方磨ける環境です。
要点まとめ
- 電通本体の一員として企画〜実装を一貫して担当
- 安定×高難度の現場に挑める
- “戦略×制作”を両立したい人向き
- 【相性◎】マスメディアン
④ 博報堂プロダクツ｜“広告×制作”の橋渡しをしたい人に
販促・空間・印刷・イベントなども含む総合制作会社。広告の“実行フェーズ”を担うプロとして、広範な領域に関われるのが最大の魅力です。
映像に限らずキャリアを拡張したい人には向いていますが、“表現者”として作品にこだわりたい人にはやや物足りないかも。
要点まとめ
- 多様な領域を横断する制作体制
- 博報堂案件に多く関われる
- 「広告を支える力」に魅力を感じる人向き
- 【相性◎】マスメディアン
⑤ ギークピクチャーズ｜スピード×裁量＝若手が挑める現場
ギークは「自由・抜擢・個の力」がキーワード。若手でも企画提案ができ、現場の裁量も大きいため、とにかく早く力をつけたい人には絶好の環境です。
その分、指導や制度は未整備。“自分の足で立つ人だけが生き残る”緊張感のある会社です。
要点まとめ
- 若手が抜擢されるスピード感
- 自由に提案し、裁量を持って動ける
- チームで“空気”を作るタイプの現場
- 【相性◎】HIGH-FIVE
⑥ TYO｜王道CM制作のど真ん中で、基礎を積み上げる
長年電通案件を中心に、TVCMを“王道”の方法でつくり続けてきた会社。現場の実行力と、分業による完成度の高さが魅力です。
演出裁量や企画自由度は低めですが、「CM制作の基礎力」を高めたい人にとっては、ど真ん中で経験を積める環境です。
要点まとめ
- 電通案件中心の正統派制作会社
- 現場力・運用力に強み
- 王道で基礎を積みたい人に向く
- 【相性◎】マスメディアン
⑦ 太陽企画｜電通系案件に特化した“堅実プロダクション”
現在はほぼ電通案件専門。役割が明確で、大型プロジェクトを安定的に進める堅実さが魅力です。
自由に演出をしたい人には向きませんが、「安定した案件で地道にキャリアを積みたい人」にはちょうどいい選択肢になります。
要点まとめ
- 電通特化で案件が安定
- 明確な分業体制と進行管理力
- 自由より安定重視の人にマッチ
- 【相性◎】マスメディアン
まとめ：制作会社は“作品”ではなく“文化”で選ぶ時代
CM制作会社の違いは、作品だけでは語れません。
どんな裁量が与えられるのか、どんなスピード感で進むのか──現場の空気感と合うかどうかが、転職成功の最大の鍵です。
だからこそ、“現場のリアル”を教えてくれるエージェント選びが重要になります。
マスメディアンとHIGH-FIVE、この2社を知っているかどうかが、キャリアの分かれ目と言っても過言ではありません。
総まとめの箇条書き
- マスメディアン：安定・老舗・育成型の制作会社と好相性。企業文化の説明が丁寧
- HIGH-FIVE：自由裁量・演出志向・若手抜擢型の現場に強い。現場感を理解した提案が魅力
- 主要7社それぞれに“向いている人”像がはっきりある
- 「作品」ではなく「働き方と文化」で会社を選ぶのが転職成功の鍵
