転職時に必須となるポートフォリオ。
コピーライターとしてすでに実務経験があっても、「何をどう見せればいいか」は悩むポイントです。
この記事では、広告代理店・インハウスの選考を経験した筆者の実体験をもとに、経験者が選考で評価されやすいポートフォリオの見せ方を解説します。
経験者のポートフォリオは「量」より「構造」と「関わり方」
ポートフォリオに載せる案件数やアウトプット量は、実はそこまで重要ではありません。
見られているのは「どう考えて関わったか」「どこに視点を置いているか」です。
- 自分の関わり方がどこまでか
- コピーを“言葉”として書いただけか、それとも設計や意図まで担っていたか
- 社内外とのやりとりやプレゼンで、どんな価値を出していたか
このあたりが読み取れるポートフォリオであれば、アウトプットの“派手さ”に頼らなくても通用します。
実体験:2回目の転職時に使ったポートフォリオの構成例
筆者が2回目の転職(経験者枠)で使用したポートフォリオの構成は以下の通りです。
✅ 表紙
- 氏名+1行コピー(コピー観・スタンスを言語化)
例:「言葉で“思い”を設計するコピーライター」など
✅ プロフィール
- 経歴(どんな企業で/どんな役割を/何年)
- 得意領域・使用媒体(TVCM/OOH/LP/採用など)
- 書くスタンス(丁寧/ストーリー寄り/目的から逆算 など)
✅ 実績パート①:TVCM(ブランド系)
- 担当したコピー・タグラインを掲載
- 背景:依頼内容/企画意図/キーメッセージの決め方
- 関わり:プレゼンでどう言葉を通したか/CDとのやりとり
✅ 実績パート②:OOH・動画広告(マス〜デジタル連動)
- どのターゲットに/どの媒体で何を届けたのか
- コピーの展開方法(キービジュアル・動画スクリプトなど)
- 社内調整で意識したポイント(予算/トーン/媒体特性)
✅ 実績パート③:Web/採用(コンテンツ/設計系)
- 流入から読了までを考えた構成設計
- コピーだけでなく、「構造と言葉の関係性」に言及
- インハウスやBtoB系の案件もあればセットで紹介
✅ スタンス紹介ページ(任意)
- コピー観:「何を大切にして書いているか」
- 実務姿勢:「チームでの役割」「巻き込み方」「伝え方」
- 評価されたポイント:面接で言われた強みなどを客観視で補足
実績ポートフォリオで伝えるべき「3つの視点」
① どのくらい主体的に関わったか
- 企画段階から?
- コピー出しだけ?
- プレゼンまで担当?
→ 「何を任されていたのか」は明記しておくと、信頼度が上がる
② コピーにどんな意図・狙いがあったか
- 誰に/何を/どのタイミングで届けたのか
- その言葉が“どう機能したか”を説明できるかどうか
→ ただ載せるだけでは伝わらない
③ コピーだけでなく“全体の思考”が見えるか
- トンマナ設計/提案時の工夫/周囲への働きかけなど
- コピー以外の“見えにくい価値”を、しっかり可視化することが重要
よくあるNG例と改善のヒント
NGパターン | 改善ポイント |
---|---|
コピーだけが淡々と並んでいる | 1行でもいいので「背景」「意図」「成果」を添える |
媒体や企画の粒度がバラバラ | セクションごとに統一(TVCM→OOH→Webなど) |
プロフィールが薄い/空白 | 得意ジャンル・媒体だけでも入れると「らしさ」が出る |
経験者向けだからこそ、「成果よりスタンス」を言語化する
選考で強いポートフォリオは、
「有名な案件がある」よりも、「その人の考えが伝わる」ものです。
- どんなスタンスでコピーに向き合っているか?
- チームの中でどんな役割を担っていたのか?
- 言葉で何を実現したかったのか?
これが伝われば、実績の大きさにかかわらず評価されます。
実務実績があるからこそ、行動で証明する内容に深さを持たせる
「コピーが評価された」「チームに喜ばれた」などの経験を、
具体的に“なぜそうなったのか”を言葉にしておくことで、面接でも説得力が増します。
- 例:「上司に評価された」→「なぜそのコピーが刺さったか」「どんな選択肢があったか」
- 例:「CMに採用された」→「ターゲットへの想定リーチ」「感情を動かす仕掛け」
→ 経験者は、「説明力」がポートフォリオの強さになる
まとめ|経験者ポートフォリオは「思考の深さ」で差がつく
- 実績の有無ではなく、その仕事にどう向き合っていたかが伝わるポートフォリオが強い
- 見せる順番・媒体・狙いの書き方を整理することで、読み手の印象が変わる
- 経験を重ねている人ほど、「自分では当たり前」と思っていることが伝わっていないケースも多い
だからこそ、一度言語化して見せることに意味があります。
もっと客観的に整えたいなら、プロに相談するのも選択肢
自分の言葉や実績を客観的に見直すには、第三者視点が有効です。
特にコピーライター職は、職種理解がある人に見てもらえるかどうかで選考結果が変わります。
→ コピーライター転職に強いおすすめエージェント3選【未経験OKあり】