戦略や企画だけじゃなく、「やっぱり手を動かしたい」と思う人が多いのが、映像の世界です。
その中でも、AOI Pro.(株式会社AOI Pro.)は、映像を「撮る」だけでなく、「つくる」ことにこだわる会社として、特異な立ち位置を築いています。
この記事では、そもそもCM制作会社とは何かという基本から、AOI Pro.のカルチャー、そして電通クリエイティブピクチャーズ・博報堂プロダクツ・東北新社などとの違いも含め、現場視点で掘り下げていきます。
そもそもCM制作会社とは?
CM制作会社は、広告代理店が立てたコミュニケーション戦略に基づいて、**映像という形に仕上げる“実働部隊”**です。
主に以下の2部門に分かれています:
- 制作部:プロデューサー、PM(プロダクションマネージャー)など。予算やスケジュールの管理、現場の進行を担う。
- 演出・企画部:ディレクター、プランナーなど。演出プランを考え、絵コンテを作り、表現をディレクションする。
広告代理店との違い
広告代理店は、クライアントの課題を整理し、キャンペーン全体の設計や戦略を担う上流工程の存在です。
対してCM制作会社は、「どう撮るか」「どう伝えるか」といったアウトプットの最終形を制作する役割を担います。
広告代理店が「頭脳」だとしたら、制作会社は「手足と眼」。そしてAOI Pro.は、“眼で魅せる表現”に強くこだわる会社です。
AOI Pro.とは?──映像表現にこだわる制作のプロフェッショナル集団
AOI Pro.は1963年創業。映像コンテンツ制作のパイオニアとして、TVCM、Webムービー、ドラマ、映画など多岐にわたる映像表現を担ってきました。
現在は国内のみならず、アジア圏や北米など海外にも展開しており、映像を“商品”ではなく“表現”として捉える制作姿勢が際立っています。
特徴①:「ディレクターが深く関われる」制作文化
AOI Pro.最大の特徴は、ディレクターが企画の初期から深く関われる制作文化にあります。
多くの制作会社では、ディレクターはあくまで“演出家”という立ち位置ですが、AOI Pro.では、
- クライアントとの打ち合わせに企画段階から参加
- 自ら提案する演出プランが採用される
- プロデューサーと対等な関係でプロジェクトを進行
といった、「ディレクターに表現責任と裁量がある」現場が一般的です。
これは「演出家主導」ではなく、“演出家が主導的になれる”文化と言った方が正確でしょう。
特徴②:直案件と海外展開の豊富さ
AOI Pro.は広告代理店経由の案件だけでなく、クライアントと直接契約する“直案件”も多いのが特徴です。
そのため、ディレクターやプランナーがクライアントに直接プレゼンを行うケースもあり、「依頼されたものを撮る」のではなく、「一緒にコンセプトから考える」仕事が可能です。
また、海外支社を通じてグローバルクライアントの案件や、外国人ディレクターとのコラボなど、国境を越えた映像表現にも挑める点が、他の国内制作会社との大きな違いです。
AOI Pro.の評判・口コミ
実際に働いていた方、現在在籍中の方の声を踏まえ、AOI Pro.の実態を整理します。
ポジティブな声
- 「若手でもコンテを書かせてもらえる文化」
- 「提案フェーズから入る案件が多く、責任もやりがいも大きい」
- 「社内の演出レベルが高く、日常的に刺激を受けられる」
- 「グローバル案件が本当にある(口だけじゃない)」
ネガティブな声
- 「成果主義なところがあるので、待ってるだけの人は評価されにくい」
- 「自由度がある分、失敗も自己責任」
- 「体力勝負の側面はある(夜遅くまでの作業も珍しくない)」
- 「自分から学びにいかないと置いていかれる」
→“任される”ということは、“試される”ということでもあります。
他社との比較で見るAOI Pro.
会社名 | 所属 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|---|
AOI Pro. | 独立系 | 企画・演出提案にディレクターが深く関われる。直案件・海外展開あり | 映像で自己表現したい人 |
電通クリエイティブピクチャーズ(旧:電通クリエイティブX) | 電通本体 | 代理店主導。全体戦略の中で映像をつくる | 安定した環境で戦略と制作の両立をしたい人 |
博報堂プロダクツ | 博報堂系 | 幅広い制作領域(販促・空間・印刷)を網羅。体験設計に強い | 引き出しを増やしたい人 |
東北新社 | 独立系 | 撮影・編集のクラフト力が高い。技術のプロが多い | 職人型クリエイター |
向いている人・向いていない人
向いている人
- 映像を“表現手段”として使いたい人
- ディレクター/演出家としてキャリアを積みたい人
- 営業や提案も含めて、案件を“自分のもの”にしたい人
- 自由な裁量の中で成長したい人
向いていない人
- 明確な指示がないと動けない人
- 安定を優先し、分業や保守的な環境を好む人
- 演出よりも戦略設計に関心がある人
転職におすすめのエージェント
AOI Pro.のように表現裁量が大きく、ハードワークも求められる会社に挑戦するなら、下記2社は外せません。
- マスメディアン
広告・制作業界に特化。案件のリアルや企業カルチャーまで教えてくれる。ポートフォリオや面接対策も丁寧。 - HIGH-FIVE(ハイファイブ)
映像制作現場出身者が多く、AOI Pro.のような“自走型”の働き方に理解が深い。現場的なアドバイスが魅力。
まとめ
AOI Pro.は、映像そのものを“語りたい”人に向いている会社です。
戦略やメディア設計よりも、“このカットの意味”や“この編集の呼吸”にこだわる。そんな仕事をしたい人にとって、これ以上ない環境です。
安定した広告会社の進行では物足りない。
自由な現場で、自分の映像を世に出したい──。
そんな人にとって、AOI Pro.は本物の勝負ができる場所になります。
総まとめの箇条書き
- AOI Pro.は“映像表現に裁量を持てる”制作会社
- 直案件・海外展開も多く、提案から演出まで関われる
- 若手にも企画提案チャンスあり。ただし成果は自己責任
- 他社と比べて「映像そのもの」を重視する風土
- 転職にはマスメディアン/HIGH-FIVEの活用がおすすめ