「TCCを受賞してないと、コピーライターとは言えない気がする」
「広告賞をとっていない自分に、価値はあるんだろうか?」
そんな言葉を、志望者から、現場の若手から、何度も聞いたことがあります。
たしかに、広告賞は素晴らしいものです。
でも、コピーライターの価値をそれだけで測ってしまうのは、少しもったいない。
この記事では、広告賞が教えてくれること/教えてくれないこと、そして広告賞がなくても評価されているコピーライターたちのリアルをお伝えします。
広告賞が取れないと、コピーライターじゃない?
そんなことは、まったくない
まず最初に断言しておきたいのは、
広告賞を取っていなくても、コピーライターとしての価値は十分にあるということです。
筆者自身、TCCを取っていない段階で代理店やインハウスでコピーライターとして働き、
テレビCMや企業のブランディングに携わってきました。
社内には広告賞を取っていないコピーライターも多く、
表には出ていないけど、結果を出している人がたくさんいます。
広告賞が教えてくれること/教えてくれないこと
賞がくれるもの:表現の視点、到達点、認知
広告賞がくれるものは、たしかに大きいです。
- コンセプトを削ぎ落とす力
- 他人の言葉ではない、自分だけの視点
- 説得力ではなく、“気づき”のある表現
- そして、世の中からの認知や評価
とくにTCCのような賞は、「表現とは何か?」を突き詰めて考え抜いた結果に与えられるもの。
それを目指す過程は、間違いなく成長に繋がると思います。
でも、広告賞だけが教えてくれないこともある
一方で、広告賞が教えてくれないものもあります。
- 書き切る粘り
- 現場で求められるスピードと対応力
- プレゼンで案件を取る言葉
- チームの意図を汲み取って言語化する力
- コンセプトを周囲に“伝わる形”にする力
こうした、“現場で必要なコピー力”は、賞とは別の文脈で鍛えられるものです。
現場で評価される「もうひとつの実力」
結果につながる言葉を書けるかどうか
広告賞は、一瞬で心をつかむ「到達点としての表現」。
一方、現場で求められるのは、**行動につながる「構造としての表現」**です。
つまり、「その言葉がどう効いたのか?」が見える世界。
例えば、
- Aパターンの見出しでCTRが5%上がった
- この構成ならプレゼンが通った
- クライアントのモヤモヤが、この1行で整理された
そういう、「言葉で結果を出す」実務力こそが、コピーライターのもうひとつの価値なんです。
「賞がない自分」に落ち込む前に考えてほしいこと
自分の価値を、賞でしか測れないのはもったいない
広告賞を否定するつもりはありません。
でも、「取ってない自分には価値がない」と思ってしまうのは、すごくもったいない。
実際、社内でも、
- プレゼンで毎回勝ってるコピーライター
- ナショナルクライアントの指名が絶えない人
- 何十人のチームに言葉で方向性を示す人
…そういう人が、賞歴ゼロというケースは普通にあります。
賞に届いていないからこそ、日々の仕事で“言葉の使い方”を地道に積み上げてきた人の方が、長く活躍していたりするんです。
コピーライターにとって、本当に価値がある仕事とは?
届く言葉を書ける人が、プロだと思う
広告賞がすべてじゃないというのは、
「賞なんか意味ないよ」と言いたいのではなく、
**「もっと多様な価値があるんだよ」**という話です。
たとえば、ある商品の売れ行きが変わった。
ある企業の考え方が伝わるようになった。
誰かの人生を動かす言葉が生まれた。
それが、「世の中に届くコピーを書いた証拠」だと思っています。
届けたい相手がいるなら、あなたはもうコピーライターだ
広告賞があるかないかではなく、
誰かに伝えたいことがあって、それをどう届けるかを考え続けられる人こそが、コピーライターなんだと思います。
賞がなくても、現場で戦っている人はたくさんいます。
あなたの言葉にも、誰かを動かす力がある。
それを証明するのに、賞は必須じゃない。
証明するのは、あなたの仕事です。
コピーライター転職に強いエージェント3選【未経験OKあり】
広告賞がなくても、選考で評価されている人は多くいます。
大切なのは、「どんな経験をしてきたか」ではなく、「今後、どんな言葉を生み出したいか」。
そうした視点で、一緒にキャリアを考えてくれるパートナーがいれば、きっと次の一歩は見えてきます。
→ コピーライター転職に強いおすすめエージェント3選【未経験OKあり】