コピーライターの“1日”って、実はかなり違う
「コピーライターの仕事って、実際どんな1日なんだろう?」
未経験からこの職種を目指すとき、多くの人が感じるのがこの疑問です。
求人には「コピーライター」としか書かれていなくても、配属先によって仕事内容も働き方もまったく違います。
この記事では、コピーライターの1日と業務の流れを、以下の3タイプに分けて解説します。
- 広告代理店のコピーライター
- 制作会社のコピーライター
- インハウス(事業会社)のコピーライター
どれを目指すかによって、志望動機や自己PR、ポートフォリオの作り方も大きく変わります。
まずは、それぞれの働き方をリアルにイメージしてみてください。
広告代理店のコピーライター|“通す企画”のために動く1日
広告代理店のコピーライターは、いわば企画を通すための設計者です。
テレビCMやキャンペーン全体の企画に関わりながら、
「誰に、何を、どう伝えるか?」を設計し、それをプレゼンで通すまでが仕事です。
1日の流れ(例):
- 10:00 出社、企画資料の読み込み/プレゼン資料の修正
- 11:00 プランナー・ADと打ち合わせ(ターゲット・トンマナ確認)
- 13:00 ランチ
- 14:00 コンセプト会議(社内orクライアント先)
- 16:00 キャッチコピー出し/企画シートへの落とし込み
- 18:00 提案準備(資料仕上げ・読み合わせ)
- 20:00 帰社 or 終電近くまで修正(場合によって)
代理店はプロジェクトの初期フェーズから関わることが多く、
コピーだけでなく、キャンペーン全体の言語設計や“戦略の翻訳者”としての役割が求められます。
特徴:
- 業務の幅が広く、打ち合わせも多い
- アイデアと戦略の両立が常に求められる
- プレゼンで企画を“通す”ことが仕事のゴールになる
制作会社のコピーライター|“仕上げる力”が問われる1日
制作会社のコピーライターは、**「アウトプットの責任者」**というポジション。
広告代理店や企業から依頼を受けて、具体的な制作物を形にしていきます。
1日の流れ(例):
- 9:30 出社、メールチェック・原稿修正対応
- 10:30 パンフレットの構成確認/表紙キャッチ検討
- 12:30 ランチ
- 13:30 ポスターの見出し案提出
- 15:00 ディレクターと赤入れ打ち合わせ
- 16:00 Webライティング案件の構成&リードコピー執筆
- 18:30 納品/次案件の資料確認/帰宅
制作会社では、地味でも誠実な仕事が多いのが実情です。
誤字脱字はもちろん、文字量制限・トンマナの合わせ込み・媒体ごとの表現最適化など、
「文字を整える」ことそのものがコピーとしての価値になります。
特徴:
- 案件数が多く、スピードと安定感が求められる
- 地道な修正や赤入れにも前向きに取り組める人が強い
- ディレクターやデザイナーと綿密に連携する仕事が多い
インハウスコピーライター|“企業の言葉”を社内で整える1日
インハウス(事業会社)のコピーライターは、ブランドや組織に内側から関わる職種です。
広告だけでなく、採用・社内広報・プロダクト説明・トーン設計など、幅広い言葉を設計・運用することが仕事になります。
1日の流れ(例):
- 9:30 出社、Slackチェック・社内依頼の整理
- 10:00 採用LPの構成ミーティング
- 11:00 ブランド戦略会議のオリエン資料作成
- 13:00 ランチ
- 14:00 CMコピー案の社内レビュー
- 16:00 マーケ担当と連携し、プレゼン資料のトーン調整
- 18:30 企画メモ整理・明日の社内説明用のコピー修正
インハウスでは、表に出るコピーよりも、裏で整える“伝えるための言葉”が多いです。
企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を整えたり、
社員インタビューから理念を言語化したりと、言葉で“共通認識”を生むことが期待されます。
特徴:
- コピーだけでなく、資料や言葉の“設計・翻訳”が求められる
- 社内調整・合意形成が多い=コミュニケーション力必須
- 広告だけでなく、採用・組織づくりにも関われるのが魅力
各職種の働き方・特徴まとめ
項目 | 広告代理店 | 制作会社 | インハウス(事業会社) |
---|---|---|---|
主な役割 | 戦略×企画設計×通す言葉 | 仕上げ/クラフト | 組織×ブランドの言葉設計 |
コピーの位置づけ | プレゼン・キャンペーン全体の核 | 表現の最終仕上げ | 社内外の言葉を整えるインフラ |
働き方 | 打ち合わせ多め/変則勤務あり | 実制作メイン/納期対応 | 調整業務多め/比較的安定 |
求められる力 | アイデア/構造思考/提案力 | 表現力/実務力/調整力 | 言語設計/関係構築/共感力 |
向いている人 | 広告が好き/アイデアを通したい | 地道でも丁寧な表現が好き | ブランドと言葉に長く向き合いたい |
働き方から“自分に合う職種”を逆算する
転職時には、「コピーライター」という肩書だけではなく、
“どの場所で、どんな言葉を生み出したいのか”を具体的にイメージしておくことが重要です。
- プレゼンで企画を通したいのか?
- 手を動かしながらクラフトを極めたいのか?
- 組織の内側で、言葉を設計したいのか?
ここが言語化できると、志望動機や自己PR、ポートフォリオの説得力が一気に上がります。