太陽企画は電通案件だけ？転職・中途採用の評判と今の制作体制をプロが解説

かつては自由な企画力で広告賞を総なめにしていた「太陽企画（TAIYO KIKAKU）」。独立系制作会社の雄として知られていたこの会社も、いまや「電通案件しかやっていないのでは？」と業界内でささやかれるようになりました。

この記事では、未経験から広告代理店のクリエイターとなり、実際に映像業界の現場で太陽企画とも接してきた筆者が、会社の現在地・働き方・転職観点での実態をまとめて解説します。

CM制作会社の仕事とは？

CM制作会社は、広告代理店が立てた戦略や企画を「映像」として実現する存在です。テレビCMやWeb動画の撮影・編集の現場を担い、以下のような2つの部門で構成されています。

制作部
進行・予算・スケジュールの管理を行うプロデューサーやプロダクションマネージャー（PM）が所属。撮影現場の全体を動かす、まさに“実行のプロ”です。

企画演出部
映像の企画・構成・演出を担うディレクターやプランナーが所属。絵コンテから編集指示まで表現を設計する中核です。

広告代理店は、クライアントの課題を整理し、ブランド戦略やキャンペーンの全体設計を担当します。一方で制作会社は、代理店の設計したプランをもとに、撮影や編集を実行します。

たとえば新商品プロモーションを行う場合、代理店が全体戦略を描き、制作会社がそのCM映像を具現化するという構図です。

太陽企画のような老舗制作会社は、代理店の意図を理解しながら、高品質なアウトプットを提供してきたことで信頼を築いてきました。

太陽企画は1970年創業の独立系CM制作会社。TVCMを中心に、Web・グラフィック・VRなどの領域でも高い表現力を誇り、過去には多くの広告賞を受賞しています。

特徴的だったのは“自由な発想力”。代理店に頼らず、企画段階から提案するスタイルで、「アイデア勝負」の会社として一目置かれていました。

しかしここ数年、電通案件への特化が顕著になっています。これは、電通グループとの強固なリレーションによって安定的な案件供給が可能になる一方、外部代理店案件や自主企画は減少傾向にあります。

「制作現場で太陽企画が関わっていたら、十中八九、電通の案件」というのは、今や業界では常識に近い感覚です。

同じく大手CM制作会社であるAOI Pro.や東北新社と比べると、太陽企画の立ち位置にはいくつかの特徴があります。

対して太陽企画は、広告代理店との共創を前提とした、堅実な制作スタイル。自由度よりも、安定性・効率性を重視した体制といえます。

太陽企画のような大手制作会社を目指すなら、業界特化型のエージェントに相談するのが得策です。

ネット上や業界内での声を総合すると、太陽企画の評判には以下のような傾向があります。

一概に“ブラック”とは言えませんが、体力・気力のある若手向きの環境であることは確かです。

太陽企画は、電通案件に特化することで安定した制作環境を築いている老舗CM制作会社です。
「自由に映像を作りたい人」には合わないかもしれませんが、「電通のトップクリエイティブに携わりたい」「大規模案件でスキルを磨きたい」という人にとっては非常に価値のある現場です。

転職を検討する際は、自分がどんな環境で力を伸ばしたいのかを見極め、エージェントと相談しながら進めることをおすすめします。